
トリミングシザーにはさまざまな材質がありますが、中でも「コバルトシザー」はプロにも人気の高い種類です。しかし、コバルトと表示されていても材質や特徴は同じとは限らず、選び方を間違えると思っていた使い心地と異なる場合もあります。本記事では、コバルトシザーを選ぶ際に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
コバルトシザーとは?
コバルトシザーと一口にいっても、実はすべて同じ素材ではありません。ここでは、まずは材質となるコバルトという金属の特徴と、シザーに使われる素材の種類について解説します。
コバルトは耐久性を高める金属
コバルトは元素番号27のレアメタルです。耐食性や耐摩耗性、耐熱性に優れているため、航空機や医療機器、工具などにも使用されています。
トリミングシザーでは、切れ味を長持ちさせたり、錆びにくくしたりする目的で使用される場合が多く、プロ向けシザーにも広く採用されています。
コバルトシザーには2種類ある
コバルトシザーには「コバルト添加ステンレス」と「コバルト基合金」の2種類があります。コバルト添加ステンレスは、鉄を主成分としたステンレスにコバルトを加えた素材です。切れ味や耐久性のバランスがよく、多くの高級シザーで採用されています。
一方、コバルト基合金はコバルトを主成分にした合金で、耐食性や耐摩耗性がさらに高いことが特徴です。水や薬剤に触れる機会が多い環境でも性能を維持しやすく、長く愛用したい方から人気があります。
「コバルト」の表示だけでは判断できない
実は「コバルトシザー」という名称には統一された基準がありません。メーカーによってはコバルトを数%添加したステンレスをコバルトシザーと呼ぶこともあれば、コバルト基合金のみをコバルトシザーとして販売している場合もあります。
したがって、シザーを選ぶ際は商品名だけではなく、材質表示まで確認するのが大切です。心配な場合や記載がない場合は問い合わせて材質を確認しましょう。
コバルトシザーとステンレスシザーの違い
コバルトシザーとステンレスシザーには、それぞれの素材には異なる特徴があります。切れ味や耐久性だけでなく、錆びにくさや価格にも違いがあるため、自分の使用環境や予算に合わせて選ぶのが大切です。
ここでは、コバルトシザーとステンレスシザーの主な違いを項目ごとにわけて紹介します。
切れ味と耐久性の違い
一般的なステンレスシザーは、鉄を主成分にクロムや炭素などを加えて作られています。加工しやすく価格も比較的手頃なため、多くのシザーに採用されています。
コバルト添加ステンレスは、さらに靭性や耐久性が向上し、切れ味が長持ちしやすい素材です。また、コバルト基合金は耐摩耗性が高く、刃同士の摩擦を抑えられるため、なめらかな開閉が続きやすい特徴があります。
錆びにくさの違い
トリミングではシャンプーや水分、薬剤に触れる機会が多いため、錆びにくさは重要なポイントです。ステンレスは錆びにくい素材ですが、使用環境やお手入れ次第では錆が発生する場合があります。
一方、コバルト基合金は一般的なステンレスより耐食性に優れているため、過酷な環境でも性能を維持しやすい素材として知られています。
価格の違い
コバルトは希少金属であるため、コバルトを多く使用したシザーは価格も高くなる傾向があります。ただし、高価だから必ず切れ味がよいというわけではありません。
熱処理や研磨などメーカーの技術によっても使い心地は大きく変わるため、素材だけで判断するのではなく、用途や予算とのバランスも考えて選ぶのが大切です。
コバルトシザーがトリマーに人気の理由
コバルトシザーは価格が高めですが、多くのトリマーや美容師に選ばれています。選ばれる理由は、耐久性や耐食性に優れているだけでなく、毎日の作業で使いやすい性能を備えているためです。
ここでは、コバルトシザーが人気を集める理由を紹介します。
毎日の仕事で性能を発揮しやすい
トリマーは一日に何頭もの犬をカットするため、毎日使うシザーには高い耐久性が求められます。コバルトシザーは切れ味が長持ちしやすく、頻繁に研ぎ直しを行わなくても安定したカット性能を維持しやすいことが魅力です。
水や薬剤に強い
トリミングサロンではシャンプーや消毒液など、水分や薬剤に触れる場面が多くあります。耐食性の高いコバルト素材は、このような環境でも安心して使用しやすく、錆びによるトラブルを抑えやすい点もコバルトシザーがトリマーに人気の理由のひとつです。
材質だけでなく使いやすさも重要
シザー選びでは、材質だけを見るのではなく、自分の手に合うサイズや重量、開閉の感覚も重要です。同じコバルト素材でもメーカーごとに仕上げや設計が異なるため、実際の使い心地まで比較しながら選ぶのが満足度につながります。
まとめ
コバルトシザーには、コバルト添加ステンレスとコバルト基合金の2種類があり、それぞれ特徴や価格が異なります。耐久性や耐食性に優れているため、毎日シザーを使うトリマーにも人気の材質です。ただし「コバルト」と表示されていても素材はメーカーによって異なるため、商品名だけで判断せず、材質表示を確認するのが大切です。切れ味や使いやすさ、価格とのバランスも比較しながら、自分の用途に合ったコバルトシザーを選びましょう。
