近年、ペットのトリミング需要は高まっています。そのため、トリマーは流行や犬種に応じて、あらゆるカット技術が必要です。クオリティーの高いカットにするために、トリミングシザーにこだわるとよいでしょう。また、革製のシザーケースは、丈夫で長持ちするのでおすすめです。ここでは、革製シザーケースのお手入れ方法を紹介します。
革製シザーケースはお手入れが必要?
革製シザーケースは丈夫に使えますが、二週間に一回程度のお手入れが必要です。日々、シャンプー液や水滴が付着するので、型崩れや色ムラの原因になります。簡単にできる、お手入れ方法を紹介するので実践してみましょう。
表面の汚れ落とし
最初に革製品専用ブラシを使用し、表面の汚れを落とします。ボタンをはずして溝の部分も丁寧にこすりましょう。細かいほこりや毛が詰っているので、しっかりと落とします。汚れが残っていると、革に染みこんで汚くなるので注意が必要です。
また、ブラシをかけることで小さい傷がわかりにくくなります。美しい仕上がりにするためにかかせない工程です。また、ブラシだけでも二日ごとにすると、本格的なお手入れが楽に済むのでおすすめです。
防水スプレー
ブラシを充分にかけたら、防水スプレーを全体にかけます。スプレーの液体を吸収すると革の色が変わるため、ムラになっていないかを確認しましょう。その後、日陰で乾くまで干します。気温にもよりますが完全乾燥までに10分以上はかかります。乾いた後に、再びブラシをかけてお手入れ完了です。
クリーム塗布
クリームは乾燥防止のために使用します。革製品は、1年以上使用していると乾燥する特性があるのでクリームは必須です。お手入れごとに塗る必要はありませんが、月に1回程度は塗布するとよいでしょう。優しく表面に塗り、20分ほど乾くまで待ちます。
つや感が出て、美しく仕上がるのでおすすめです。また、クリームの上から防水スプレーをかけると、それぞれの効果が発揮しないので注意しましょう。
革製シザーケースのお手入れに必要なもの
正しくお手入れするために、専用の道具は必ず手に入れましょう。ここでは具体的な道具の解説をしています。自身に合った、使いやすいものを探しましょう。
ブラシ・エアダスター
革製品用ブラシにはさまざまな形状・材質があります。馬毛は適度な弾力があり、力加減も心配せず簡単にお手入れできます。また、柔らかい化繊は、毛が抜けにくく傷みにくいことが特徴です。自身が使いやすい、お気に入りのブラシを探しましょう。
また、汚れの付着を見逃さないために、エアダスターを併用すると完璧です。スプレーの噴射で汚れや毛を掃き、細かいすき間も綺麗になります。表面の汚れ落としは重要なので、充分なアイテムを揃えましょう。
防水スプレー
防水スプレーは、水や油汚れから革を守る効果があります。価格は1,000円以下でも機能性は充分です。また、価格は2,000円以上になりますが、フッ素が入ったものは効果が高まります。油汚れを弾き、拭き取ったあともシミになりにくいので安心です。
水仕事が必須のトリマーは、革製品の防水をとくに意識しましょう。
保湿クリーム
革の乾燥をケアする保湿クリームは、ラノリンを主成分とするものを選びましょう。ラノリンは、羊などの皮脂腺から分泌した蝋です。保湿力が高いため革の表面を美しく、柔らかく保ちます。水分量が多めのテクスチャーですが、革の質感を損なわないことも魅力です。
また、余裕があるときは上質なクリームを使用してもよいでしょう。天然オイルのシダーウッドが使用されているものは、香りがよく楽しくお手入れできます。油分が多く、多少の撥水効果もあるので安心です。長持ちさせるために、保湿クリームにはこだわりましょう。
革製シザーケースのお手入れに使ってはいけないもの
革製品はデリケートなので、相性が悪いものを使用すると一気に傷めてしまいます。シザーケースのお手入れで使用できないものを解説するので充分注意しましょう。
動物性オイル
保湿目的では、羊などの動物から分泌されるラノリンが活躍します。しかし、動物性の保湿剤であれば何でもよいわけではありません。
ミンクオイルや牛のスネ油、馬油は革製品に使用されていますが、柔軟効果が高すぎるためシザーケースには不向きです。安全にトリミングシザーを収納するために、型崩れしない適度なものを選びましょう。
シリコン系防水スプレー
革製品全般に使用が向いていないのは、シリコンが入った防水スプレーです。ヌメ皮は斑点状に色が抜けてしまうので見た目が悪くなります。また、シリコンが表面をしっかり覆うので、乾燥したときにクリームを吸収しません。
最悪、乾燥によりひび割れを起こしてしまいます。一度スプレーをしてしまうと、落とすことは困難なので注意が必要です。
まとめ
トリミングシザーは、トリマーにとってとても大切なアイテムです。シザーケースを革製にすることで、どちらも丁寧な扱いができます。また、使いこむごとに味わいが出るので、オリジナリティーを楽しめることも魅力です。
長年使用することで、トリマーとしての経験値が積み重なった証になるでしょう。モチベーションを上げるためにも、革製シザーケースはおすすめです。